会長挨拶
2023−24会長方針
「照千一隅」
みなさま、いつも大変お世話になっております。
右眼に脂肪ヘルニアという腫瘍のようなものがあり、正面からですと比較的これが目立ち見苦しいこともあって,敢えてこのような姿とさせていただきました。
さて、わたくしなど、とても会長などに相応しくないのですが、慣例に従い、これから1年間の会長テーマを選ばせていただきました。
「照千一隅」・・・・・“しょうせんいちぐう”と読みます。
天台宗比叡山延暦寺の開祖である最澄が「山家学生式」(さんげがくしょうしき)という書の中で用いた言葉です。
中学校や高等学校で習われたと思いますが、最澄は奈良時代終わりから平安時代初めにかけて、桓武天皇の庇護を受け活躍した僧侶です。
「伝教大師」とも呼ばれ、766年に滋賀県(大津市の辺り)で生まれ(822年死亡)、当時の日本仏教の中心であった奈良仏教(主に南都六宗のことです。)が政治と癒着し堕落していることを嘆かわしく思い、比叡山に籠もり(今の比叡山の根本中堂辺りです。)、ひとり修業していたことが桓武天皇の耳に入り、「奈良仏教と政治を切り離したい」との強い思いがあった桓武天皇の絶大な支援を受けて、遣唐使として唐へ留学し、唐で天台宗を修め、日本天台宗の開祖となっていったのです。
このような最澄が当時の天皇(この頃、桓武天皇は既に崩御しており,平城天皇や次の嵯峨天皇になっていました。)や天皇側近の有力貴族らに対し「比叡山延暦寺が僧侶の資格を公式に与えることができる寺」になることを強く願い出た際に「僧侶が守るべき決まりを書いた書」が「山家学生式」で、この中で、”照千一隅”を用いています。
この言葉の解釈は幾つかあるようですが、「一隅を守り、千里を照らす」と捉えるのが主流のようで、本来なら「守一隅」になろうかと思います。
これに続く言葉として「比則国宝」とあるのですが、考えますに「社会の片隅であってもそこをしっかりと照らす人こそが国の宝である。」とか「それぞれの場所や立場において輝いて行く」とかの意味と理解されます。
このような考えが、現代より遥かに経済的には貧しかった古(いにしえ)の奈良や平安の頃から、否もっと古く飛鳥時代や「随」の時代から存在していたこと自体に感心を禁じ得ないのですが、ロータリークラブの活動の基本とも言うべき「奉仕の考え」にも共通する「普遍の真理」を表すものと思います。
みなさまはロータリークラブでの活動でも「クラブ、グループ、地区で様々な立場におかれる」ことが平素的であり、また、この事はみなさまのそれぞれの職業分野でも同じかと思います。
そして、そのような立場におかれた以上は、そこをしっかりと守る、或いはそこで輝いて行くことが大切であって、その事こそが「奉仕」の基礎だと思います。
わたくし自身は誠に小さいものですが、ここに示した「照千一隅」の考え方で、これから1年という「気が滅入るほどの長きに渡るロータリークラブでの活動」に、ほんとにささやかなものではありますが一手を指せてゆければと思います。
次に、「クラブの重点目標」としましては、今年度は当クラブから地区ガバナーを輩出していることから、これまでも掲げられてきた「行政、学校、地域社会との連携及び協力」「ロータリー財団や米山記念奨学会への支援」はもとより、「他クラブとの交流」において、とりわけ多摩中グループ各クラブとの交流をこれまで以上に大切にしていただければと思います。
「今年度地区ガバナーは多摩中グループから輩出している。」との意味もあり、多摩中グループ各クラブにはご協力やご無理を既にお願いしている或いはお願いする場面が多々ある関係から、みなさまにおかれてもこの事に対する配慮を常に持ち続けていただければ幸いです。
加えて、「会員の維持や増強」「女性会員の入会を目指す」ことが重点目標の1つとして掲げます。なにしろ、今の当クラブは「虚飾を排した漢(おとこ)のクラブ」状態なのですから(笑)。
ただ、率直なところを申し上げますと、「こればかりは御縁もの」故、また5年程前に比し会員数も10名程減になっている状況に鑑みますと、「既存会員の維持」を中心とし、あとは若い2人の(?)自然な気持ちの流れに任せることも大切かと思います。
また、「今年度の具体的事業」としては、「地区補助金を活用した寄贈事業」や「国際基督教大学との共催事業」がございます。更に、新型コロナウィルス感染拡大で一時期中断していた東京中央ロータリークラブとの共同国際事業である「空飛ぶ車椅子寄贈事業」も昨年度(2023年3月)から復活してまいりました(うちも国際的なことをやってたんです。)。
最後に「会長としての立場にある者」として、これから1年に渡り、みなさまの縦横無尽のご活躍を心よりご祈念申し上げ、大変に拙いものではございますが、「わたくしの挨拶」にかえさせていただきます。
みなさま、2024年6月30日まで、どうか宜しくお願い申し上げます。
「照千一隅」
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東京三鷹ロータリークラブ
2023‐24年度会長 麻生 光 Kou Aso |
みなさま、いつも大変お世話になっております。
右眼に脂肪ヘルニアという腫瘍のようなものがあり、正面からですと比較的これが目立ち見苦しいこともあって,敢えてこのような姿とさせていただきました。
さて、わたくしなど、とても会長などに相応しくないのですが、慣例に従い、これから1年間の会長テーマを選ばせていただきました。
「照千一隅」・・・・・“しょうせんいちぐう”と読みます。
天台宗比叡山延暦寺の開祖である最澄が「山家学生式」(さんげがくしょうしき)という書の中で用いた言葉です。
中学校や高等学校で習われたと思いますが、最澄は奈良時代終わりから平安時代初めにかけて、桓武天皇の庇護を受け活躍した僧侶です。
「伝教大師」とも呼ばれ、766年に滋賀県(大津市の辺り)で生まれ(822年死亡)、当時の日本仏教の中心であった奈良仏教(主に南都六宗のことです。)が政治と癒着し堕落していることを嘆かわしく思い、比叡山に籠もり(今の比叡山の根本中堂辺りです。)、ひとり修業していたことが桓武天皇の耳に入り、「奈良仏教と政治を切り離したい」との強い思いがあった桓武天皇の絶大な支援を受けて、遣唐使として唐へ留学し、唐で天台宗を修め、日本天台宗の開祖となっていったのです。
このような最澄が当時の天皇(この頃、桓武天皇は既に崩御しており,平城天皇や次の嵯峨天皇になっていました。)や天皇側近の有力貴族らに対し「比叡山延暦寺が僧侶の資格を公式に与えることができる寺」になることを強く願い出た際に「僧侶が守るべき決まりを書いた書」が「山家学生式」で、この中で、”照千一隅”を用いています。
この言葉の解釈は幾つかあるようですが、「一隅を守り、千里を照らす」と捉えるのが主流のようで、本来なら「守一隅」になろうかと思います。
これに続く言葉として「比則国宝」とあるのですが、考えますに「社会の片隅であってもそこをしっかりと照らす人こそが国の宝である。」とか「それぞれの場所や立場において輝いて行く」とかの意味と理解されます。
このような考えが、現代より遥かに経済的には貧しかった古(いにしえ)の奈良や平安の頃から、否もっと古く飛鳥時代や「随」の時代から存在していたこと自体に感心を禁じ得ないのですが、ロータリークラブの活動の基本とも言うべき「奉仕の考え」にも共通する「普遍の真理」を表すものと思います。
みなさまはロータリークラブでの活動でも「クラブ、グループ、地区で様々な立場におかれる」ことが平素的であり、また、この事はみなさまのそれぞれの職業分野でも同じかと思います。
そして、そのような立場におかれた以上は、そこをしっかりと守る、或いはそこで輝いて行くことが大切であって、その事こそが「奉仕」の基礎だと思います。
わたくし自身は誠に小さいものですが、ここに示した「照千一隅」の考え方で、これから1年という「気が滅入るほどの長きに渡るロータリークラブでの活動」に、ほんとにささやかなものではありますが一手を指せてゆければと思います。
次に、「クラブの重点目標」としましては、今年度は当クラブから地区ガバナーを輩出していることから、これまでも掲げられてきた「行政、学校、地域社会との連携及び協力」「ロータリー財団や米山記念奨学会への支援」はもとより、「他クラブとの交流」において、とりわけ多摩中グループ各クラブとの交流をこれまで以上に大切にしていただければと思います。
「今年度地区ガバナーは多摩中グループから輩出している。」との意味もあり、多摩中グループ各クラブにはご協力やご無理を既にお願いしている或いはお願いする場面が多々ある関係から、みなさまにおかれてもこの事に対する配慮を常に持ち続けていただければ幸いです。
加えて、「会員の維持や増強」「女性会員の入会を目指す」ことが重点目標の1つとして掲げます。なにしろ、今の当クラブは「虚飾を排した漢(おとこ)のクラブ」状態なのですから(笑)。
ただ、率直なところを申し上げますと、「こればかりは御縁もの」故、また5年程前に比し会員数も10名程減になっている状況に鑑みますと、「既存会員の維持」を中心とし、あとは若い2人の(?)自然な気持ちの流れに任せることも大切かと思います。
また、「今年度の具体的事業」としては、「地区補助金を活用した寄贈事業」や「国際基督教大学との共催事業」がございます。更に、新型コロナウィルス感染拡大で一時期中断していた東京中央ロータリークラブとの共同国際事業である「空飛ぶ車椅子寄贈事業」も昨年度(2023年3月)から復活してまいりました(うちも国際的なことをやってたんです。)。
最後に「会長としての立場にある者」として、これから1年に渡り、みなさまの縦横無尽のご活躍を心よりご祈念申し上げ、大変に拙いものではございますが、「わたくしの挨拶」にかえさせていただきます。
みなさま、2024年6月30日まで、どうか宜しくお願い申し上げます。