オーロラの観賞について(米山記念奨学生 劉耀康)
パスト米山奨学生の劉です。研究室では夏になると、フィンランドへの留学準備が話題になります。今回は、その一環としてオーロラについてお話ししようと思います。この内容は、私や研究室のメンバーの経験に基づくもので、参考程度にご覧いただければ幸いです。
オーロラとは、太陽から放出された電気を帯びた粒子が地球の上空で大気と衝突することで生じる発光現象です(実は蛍光灯と同じ原理だそうです)。太陽から放出された粒子は地球の磁場の影響を受け、カナダ、フィンランド、ノルウェーなど北緯65度〜80度付近の極地でしか見られない現象です。昨年、数十年に一度の太陽活動の活発化により、北海道やドイツなどでもオーロラが観測されたという希少な例がありました。
私はフィンランドのオウル大学との共同研究のため、学部時代からフィンランドを3回訪れました。そのうち3回、オーロラを観賞する機会がありました。オーロラは一般的に、夜空が十分に暗い9月から翌年の3月まで見られるとされていますが、特に9月と3月は空がよく晴れるため、おすすめの時期とされています。
オーロラを見るための条件は主に3つあります。1つ目はオーロラが発生していること、2つ目は光害の少ない場所にいること、そして3つ目は夜空が晴れていることです。
まず、オーロラの発生状況は、スマホアプリ(例: My Aurora Forecast & Alerts)でリアルタイムに確認できます。私が滞在していたオウルという町では、オーロラが2日に1回程度の頻度で発生しています。光害の少ない場所は、基本的に市街地から離れた場所が良いですが、Googleや地元の人からおすすめのスポットを教えてもらうのも一つの手です。最後に、夜空が晴れているかどうかが最も重要ですが、事前に予測するのは難しいです。一般的には、雲の動きを確認できるアプリ(例: Windy)を使いながら、晴れている場所へ移動する必要があります。車を持っていない方は、ツアーガイドを雇うのが無難でしょう。ちなみに、11月から12月にかけては極夜(太陽が昇らない時期)の影響で曇りの日が多く、オーロラの観賞が難しい時期です。
さて、2022年9月のある日、夕食を食べている途中で急に同級生にオーロラ観賞に誘われた時の話です。あまりにも急だったため、室内着のまま1時間半電車に乗り、マイナス20度の北部、サンタクロースの村として有名なロヴァニエミまで行きました。また、気まぐれで行動したため、曇った日に当たってしまい、死にそうな寒さに耐えながらオーロラを探しました。幸いなことに、2時間ほど車を走らせた後、スウェーデンとの国境付近でオーロラを見ることができました(写真の真ん中が自分です)。翌日、風邪までひいてしまい、「良かったのかどうか微妙だな」と思いました。
余談ですが、帰りは終電を逃したため、3人で24時間営業のマクドナルドで朝まで過ごし、朝一の電車で無事にオウルに戻りました。当時、私は朝に実験の予定が入っており、実験中に元気がない様子が見られて、何度も「Are you okay?」と他の研究者に心配されました。